嬉野市子ども学校塾

今年の9月に嬉野市内のすべての小学校で『子ども学校塾』が始まって2カ月余りが過ぎました。

学習塾の先生を中心とした『支援員』が放課後に各小学校に派遣され子どもたちの宿題の手伝いをするというもので、学習習慣の定着を図ることを目的としています。

官民一体の新しい取り組みがスタートしたわけですが、教育委員会や学校の方針も曖昧で私たち支援員がどのように子どもたちに接していくのかも手探りの状態でした。要するに、とりあえず出発してみて途中で課題が見つかったらその都度修正していこうというものでした。

高学年は『子ども学校塾』が始まった当初から熱心に宿題に取り組んでいて、分からないところがあるときには積極的に支援員に質問をする子もいて、順調な船出でした。ただクラブや習い事に行く子が多いので、参加者が少ないのが今後の課題です。(宿題をきちんとできない子もいるみたいなのですが…)

低学年や中学年は中には一生懸命宿題に取り組む子もいるのですが、席を離れて走り回ったり、友達にちょっかいを出したり、友達の宿題を堂々と写したり、ぐずぐずして全く宿題が進まなかったり、別の子を指導しているときに「わからん、わからん」と言い始め「ちょっと待ってて」と言っても私が行くまで叫び続けたりと、考えられるありとあらゆるタイプの子どもたちが混在していました。

私は他の支援員の先生と協力して一人ひとりの子どもに声をかけ、褒めたり、励ましたり、時には叱ったりしながら、子どもたちがちゃんと宿題に取り組めるように、『わかった』を実感して少しずつでも勉強が好きになるように、また子どもたちに『楽しかった』と言ってもらえるようにという思いを持って接してきました。

その結果、最近では低学年でもほとんどの子はきちんと宿題に取り組み、以前よりも早く宿題が終わって帰れるようになりました。

これこそが『子ども学校塾』の最大の成果です。今までは家で宿題をしなかったり、分からないところがそのままになっていた子たちが、宿題がきちんとできるようになり、分からないところが分かるようになっていったのです。

本来なら担任の先生が宿題がちゃんとできない子や授業だけではうまく理解できない子などを放課後に残して、一緒に勉強を見てあげるのが最も良いやり方だと思うのですが、近年は学校の先生は会議・研修・レポート・教材の準備などで忙しく、放課後に子どもたちと触れ合う時間を取りたくても取れないというのが現状です。

そこで学習塾に話が回ってきたのですが、『子ども学校塾』では担任の先生たちがやりたくてもできないところを学習塾を中心とした支援員が補っていくことで、本当の意味で官民が一体となって、結果的に子どもたちの成長につながっていくのです。

他の地区でも教育の現場で官民一体での取り組みがなされていますが、私は嬉野市のやり方がベストだと思っています。最近では昔は無かったような素晴らしい『道具』がたくさんありますが、やはり教育は『道具』が主ではなく『人』だと思います。先生と子どもが顔を合わせ、表情やしぐさを見ながら最も適切な言葉をかけてあげることが大切です。

まだ始まったばかりで改善しなければならないところは多々ありますが、校長先生をはじめ諸先生方や保護者の方のご意見を伺いながら他の支援員の先生方と協力して『子ども学校塾』がさらに進化していくことを目指し、嬉野の子どもたちの成長を文字通り支援していきたいと考えています。

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

カテゴリー