勉強嫌いは「勉強が嫌い」ではない!?

生徒たちに「勉強は好き?」と尋ねると、ほとんどの子は「嫌い」と答える。

では、なぜ子どもたちは『勉強嫌い』になってしまったのか?

主な理由は2つあると思う。

勉強が難しくなって、おもしろくなくなった。

勉強が嫌いなのではなく、勉強させられるのが嫌い。

 

①の解決策は、わからなくなったところまで戻って、ひとつずつわかるようにしていくこと。ただし、子どもに「勉強しなさい」と言ってやらせてはダメ!するかしないかを決めるのはあくまでも子ども自身である。私たち大人の仕事は、子どもが自発的に取り組むような言葉をかけてあげたり、環境を整えてあげたりすることである。それができなければ子どもは余計に勉強嫌いになるだけである。

 

②の場合は、実は子どもはそんなに勉強嫌いではない。ただ、「○○ばっかりやってないで早く勉強しなさい」と言われると、人はだんだんと勉強したくなくなるものだ。これは私たち大人でも同じである。子どもは親や先生からこのような言葉をかけられると「今からしようと思っていたのに、やる気がなくなった」と言い訳をする。そしてこういうことが積み重なると勉強嫌いになるのである。

 

学校の宿題も同じである。学校の宿題は子どもたちにとっては「やらされている勉強」であり、子どもが望んでやっていることではない。宿題をしないと親や先生に怒られるからしているだけである。

しかも、みんなに同じ宿題が出される。勉強が得意な子にも、得意ではない子にもだ。まだ宿題の内容が一人ひとりに合っていれば、宿題に取り組む気持ちにもなる。しかし「簡単すぎる」とか「難しすぎる」と感じてしまう子が多くいれば、やっぱり勉強はつまらないと思うだろう。

 

ここにはもう一つ大きな問題が潜んでいる。もし学校で「今日から宿題は出しません」と言われると、子どもたちは飛び上がって喜び、勉強をしなくなるだろう。

しかしこの考え方は実は間違っている。子どもたちは勉強をしなくなるのではなく、何を勉強すればいいかわからなくて勉強ができなくなるのだ。

 

ここ数年、個別懇談会などで保護者の方と話をしていてよく聞く話がある。

「最近の新入社員は、言われたことはきちんとするけど、言われてないことはしない」

これも言われていないからしないのではなく、何をすればいいかわからないからしないのだ。

 

これまで述べてきたことから考えると、学校の宿題の話と最近の新入社員の話はつながっていることがわかる。

このような若者を作り出しているのは私たち大人である。

私たちは反発する子どもたちを力で抑えて、都合よく言うことを聞くロボットを大量に作り出しているのではないか。

自分の意見を持たないロボットを大量に作り出しているのではないか。

または自分の意見は持っていても「それを発言すると痛い目に合う」「言ってもどうせ変わらない」と思わせてしまっているのではないか。

 

私は子どもたちに「考える力」を身につけてもらいたいと思っている。たとえ間違っていたとしても、しっかりと自分の考えを相手に伝えられる大人になってもらいたいと思っている。

そのためには日頃から子どもたちに考える時間を与えてあげる必要がある。

 

私たち大人は「こうすればうまくいく」とか「こうすれば失敗する」ということを経験上知っている。だから子どもに「○○しなさい」「○○したらダメ」とアドバイスをしてしまう。

子どものことを思ってのアドバイスだと思うが、かえって子どもが考える時間を奪っているのである。

 

子どもに勉強してほしかったら「勉強しなさい」と言わずに、子どもが自主的に勉強に取り組みたくなる環境(これが一番難しいのだが)を作ってあげることが大切である。

そうすれば子どもは「勉強嫌い」にならず、むしろ「勉強好き」になるはずである。

 

※学樹舎には、子どもたちが自主的に、しかも真剣に勉強に取り組めるようになる秘密があります。お子さまの勉強に関するお悩みをお持ちの方はご相談ください。

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